ライブハウス”新宿ロフト”が、1970年代には西荻窪にあり、”西荻窪ロフト”として営業していたという事実は、西荻通の方には常識であるかもしれません。ロフトの名称自体は1971年に千歳烏山にオープンした”烏山ロフト”が発祥ということになりますが、こちらは音楽喫茶であったようで、現在の新宿ロフトのようなライブハウス形態ができたのは、1973年にオープンした西荻窪ロフト以降ということになるようです。ドンキホーテの前身泥棒市場しかり。西荻窪は意外に色々なものの生誕地となっています。
かつての西荻窪ロフト物件
では、その西荻窪ロフトが西荻窪のどこにあったか。これまた聞いて意外なことに、当サイトで何度も紹介をしてきている、例の場所がかつての西荻窪ロフトであったようです。
西荻一番街商店街の真ん中辺り。そう、西荻サードプレイスやいろり交流サロンなど実験的なテナントが入居しては消え…を繰り返している例のビルです。
西荻ビール工房が新たに入居
この物件に現在訪れてみると、サードプレイスや交流スペースのあった2階に新たなテナントが入居しており、また1階の一部、レンタルビデオ店があった部分を大幅に取り壊して改装を行っている様子がうかがえます。新たに2階にオープンしたテナントは、ALOHA LOCO CAFE。西荻窪の別の場所にあったハワイアンカフェの移転オープンということで、11月から営業を開始しているようです。
1階のコンクリートがむき出しになっている部分。近付いてみると、入居予定テナントによる挨拶が貼り出されていました。
というわけで、新テナントは中央線沿線でブルーパブを展開する、株式会社麦酒工房の西荻店となるようです。名称は、他の中央線駅のブルーパブにならって西荻ビール工房という仮称がつけられています。オープン時期は不詳ですが、内装工事の進行度合いなどが、ブログにて逐次報告されています。スタッフによるハンドメイド内装のようですね。
西荻窪にビアパブの選択肢が増えてきた
西荻窪にハンドメイド内装のビアパブがオープン…などという話題は、少し前にも掲載したような気がします。同じ西荻窪駅の北側ながら、荻窪よりに店を構える、クラフトビール屋Projectですね。
さらに、ビール工房と同じ一番街商店街には、地下1階店舗の西荻窪ターコイズがあります。こちらはクラフトビールとジャークチキンを売りにして、2012年にオープンした店です。
にわかにビアパブの選択肢が増えてきたということで、クラフトビール流行の波を感じる一方、以前西荻窪駅構内にあったアイリッシュパブのスタシェーンが長続きしなかったということもあり、西荻窪の実際のビアパブ需要についてはどうなのだろう、という気もしないでもありません。
(2015.3追記)
3月19日より、ついに営業開始になりましたね。
(2016.3追記)
1周年を迎えて、最近は色々と営業形態の試行錯誤を行っているように見えます。なんとクラフトビール工房なのにコーヒーを飲めたり、ランチセットが注文できたり。
カフェスペース的需要に答えた結果なのでしょうが、おかげで西荻窪のビール工房は異色の存在になっているかもしれません。酔っ払いと文庫本を持ち込んでの長居客が同居する光景は不思議。
(2018.3追記)
満3周年を控えたところで、なんと西荻ビール工房閉店とのニュースが入ってきました(ビール工房twitter)。閉店日は3月31日(土)。”一旦閉店”との表現や、スタッフ人員不足が理由であるとも読める表現から、西荻窪でやっていくことが運営会社の方針として難しくなってしまったというわけではなさそうです。
ただ、”一旦閉店”がすなわち近い将来の再出店とイコールではないということ、西荻窪のお店を見ていて思い知らされることも多いだけに、全くの安心をもってニュースを受け止めることはできないかも。
(2020.11追記)
この旧ロフト物件から西荻ビール工房は撤退してしまいましたが、2020年11月2日、今度は西荻窪駅東側のガード下商店街マイロードの中に、ワイン酒屋とのコラボ店舗”SAKE-YA 西荻”という名前で麦酒工房のお店が帰ってくるようですね。
コラボ店舗ということで、麦酒工房の自家醸造ビール提供部分はこぢんまりとしたものになるのかな?と思っていたのですが、公開されている写真によるとタップ数は10tapありそうです。
ビール工房閉店時の”一旦閉店”という表現がここにきて伏線回収されましたね。西荻窪が吉祥寺に劣らぬクラフトビールの街に育っていくか、もろもろ最近のニュースと合わせて期待が高まります。
(2023.1追記)
SAKE-YA西荻の紹介記事を遅ればせながら書きました。
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