西荻窪の街を歩いていると、「おひとりさま」とすれ違うことが非常に多いです。
西荻窪駅北口を出て、目の前に見える道を向かって左側に入ります。バス通りとなっているこの狭い道には、新旧さまざまな店舗が並んでいますが、この道の名称を伏見通りといいます。
伏見通りは、駅の近くこそにぎわいに溢れていますが、東京女子大の方面に進むにつれて商店の間隔もまばらになり、落ち着いた雰囲気の、どのように利益を出しているのか分からない趣味性の高いお店が増えてきます。それはいかにも西荻らしい雰囲気と褒めるべきなのでしょうが、その中で、段ボールに油性マジックという一際手作り感の強い看板を見つけました。
階段をのぼると、そのお店「西荻サードプレイス」があります。階下の掲示板には、お店の利用方法が書かれています。「まちのお茶の間」たるサードプレイスは、持ち込みなども自由。自習室のように利用してもよし、屯ってもよし、会議・打ち合わせに使ってもよし。コーヒーが無料で飲めて1日300円。
西荻サードプレイス 誰が運営しているの?
このようなコンセプトのスペースは、通常行政などがハコモノとして作るというイメージがあります。お隣の武蔵野市でいうなら、武蔵境駅の駅前にオープンした、武蔵野プレイスなどがそうでしょう。しかしながら、杉並区の端っこ、「チベット」と称される西荻窪。行政サービスが行き届くことなど期待できません。それ故に、これまで紹介してきたまちづくりNPOや、民間企業などがコンセプト提言を兼ねて活動するのでしょう。
西荻サードプレイスの運営を行っているのは、株式会社タウンキッチン。会社の名称と同じ「学園坂タウンキッチン」という店舗を、小平市の商店街で立ち上げ、話題になりました。
「学園坂タウンキッチン」は、商店街の空きスペースの活用プロジェクトとして、地域の「お母さん」たちを有償ボランティアで雇いお総菜屋を開くことで、失われる地域のコミュニティを食を通じて復活させるというテーマであったようです。
今回のサードプレイスの出店は、同じくコミュニティの復活と商店街の再生を掲げた事業ということになるのでしょう。「学園坂タウンキッチン」の隣にやはり空きスペースを使って出店した、「たまり場カフェ」というカフェ。こちらの運営を通じて、地域のコミュニティスペースの提供について、何かアイディアが得られたのかもしれません。
いずれにしろ、西荻窪という街の「おひとりさま」に、アピールとなることは間違い無しです。癖のある「おひとりさま」が多いとも言えるので、常連客を獲得できるのかどうかは、未知数ですが。
ちなみに西荻窪で時間を潰すなら、ローソン西荻窪駅北店という選択肢もあります。こちらもまた、おひとりさま御用達。
(2014.2追記)
随分前から、このスペースの名前が西荻サードプレイスではなく、いろり交流サロンという名前に変わっています。運営者も株式会社タウンキッチンから特定非営利活動法人kissという会社に変わっているようです。
スペースの主旨には大きな変わりはないようです。
(2014.8追記)
いろり交流サロンもなくなって、現在はスポーツジムになっているようですね。
コメント
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