元々は同じひとつの通りであった中道通りと末広通り。奇しくもこの10月に、それぞれの通りの吉祥寺駅寄り入り口に大型商業ビルが同時オープンします。その意味合いであるとか、今後考えられる街への影響については、以前の記事で考察をあげましたが、オープン直前となった現在はとりあえず、新しい街のシンボルの登場を手放しで喜んでおきましょう。
ユニクロ吉祥寺店 10月3日オープン
中道通り入り口にできるのは、ユニクロ吉祥寺店です。吉祥寺でユニクロの開店というと、スタバの開店と同じく全くフレッシュなニュースには聞こえないのですが、今回はユニクロのみが入居した7階建てのビルということで、プロモーションには随分気合いが入っています。手始めに、ビル自体が吉祥寺で目立つ場所にあるということから、10月3日となったオープン日を大きくディスプレイして注目を集めようとしています。
また、街中にオープン日を知らせる広告を打っています。吉祥寺の有名な商店主、文化人などを起用した地域密着型広告。この広告手法はJINSのオープン時にも使われたものですね。
オープンに合わせて、「吉祥寺LUCKYすごろく」というスマートフォンゲームも配布します。9月26日から10月13日までの間、タイアップした近隣の21店舗も登場するすごろくゲームのキャンペーンを行うそうです。
近隣店舗に”気を遣った”出店
今回のユニクロ吉祥寺店のプレスリリースを見ていると、近隣店舗との連携という部分を押し出して、中道通り・吉祥寺通りの新顔となることに気を遣っている部分が見て取れます。たとえば、建物内にタイアップ店舗の紹介コーナーを作り、7FにはCAFE ZENONとコラボレーションしたディスプレイを設置しています。また、近隣飲食店にユニクロのおしぼり・コースターを無料で配布しています。そういった宣伝戦略からは、吉祥寺の利用者における認知度の向上以上に、近隣店舗に対して配慮する意図が感じられます。その背景には、やはり街の構造をこれまでとは大きく変えてしまうということに対する自覚があるのではないでしょうか。
最近(どちらかというと否定的な反応で)話題となった南口ドン・キホーテの出店を見て、吉祥寺駅周辺の大型店舗の出店では慎重であるにこしたことはないと思い当たったのかもしれません。
なお、オープン日の10月3日(金)は朝6:00から営業、5000円以上の買い物をした先着1万名にキン・シオタニデザインのマグカップがプレゼントされるそうです。キンシオを使ったプロモーションは、ブックス・ルーエを思い浮かべます。なかなか吉祥寺を研究したプロモーションだと言えるのではないでしょうか。
ヤマダ電機LABI吉祥寺2号館 10月オープン
末広通りの入口にできるのは、ヤマダ電機のLABI2号館です。求人誌の募集などを見ると、10月オープンということでスタッフ募集をかけています。建物の方は既に完成しており、向かい合わせのキラリナに合わせて鏡面仕立ての外壁。吉祥寺に巨大な合わせ鏡が登場しています。
こちらのプロモーション戦略は、再開発の象徴であるキラリナに合わせたデザインにして、吉祥寺の中でも印象的な、従来的でない区画をアピールしていこうというものでしょうかね。末広通り方面はまだまだ未開発感が強く、中道通りに出店するユニクロのような近隣店舗への気遣いはあまり必要がないかもしれません。
10月にこの2店舗がオープンして、それ以降われもわれもと続く駅周辺の出店があるかどうか。この2店舗はこれからの吉祥寺を占う試金石であるような気がします。
(2014.9.27追記)
ヤマダLABI2号館のオープンに伴い、ダイヤ街チェリーナードのLABIパソコン館は10月5日(日)に閉店となる模様。
(2014.10.18追記)
ヤマダ電機新店舗の正式名称は「LABI吉祥寺」となり、オープン日は10月31日となったようです。
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