JINSと眼鏡市場 吉祥寺眼鏡店戦争

毎日取っ組み合いをして、割れない眼鏡のアピールが出来るのではないでしょうか。

JINS眼鏡市場合戦場

ハモニカ横丁のチェリーナード側出口、ミュンヘンのある辺りが、最近通りにくくなりました。というのも、以前からミュンヘンの隣に出店していた眼鏡市場に加え、JINSの都内最大級店舗が真向かいに出店したことにより、にわかに吉祥寺眼鏡店戦争が激化。販売員が道にせり出して呼び込みを行っているからです。

JINSと眼鏡市場

JINSと眼鏡市場

JINSと眼鏡市場と言えば、どちらも低迷する眼鏡業界で急成長をとげている店舗です。現在売上高でトップシェアになるのが、眼鏡市場、ALOOKの店舗を展開する株式会社メガネトップ。それに対してJINSを展開する株式会社ジェイアイエヌは、「JINS PC」などのブランドを売りにここ数年で急成長を果たし、業界売上高はパリ・ミキの三城ホールディングスに次ぐ第3位に躍り出ています。

共通する戦略は、それまでわかりにくく追加コストのかかる可能性があった眼鏡の価格を、「ワンプライス」「4プライス」といった分かりやすいものに変えたことです。利益の要であったレンズを、中国製や韓国製のものにして原価率を下げるとともに、大元の眼鏡のプライスと一元化、どのレンズを選んでも同じ価格ということで消費者にお得感を与えるという仕組みです。

吉祥寺における眼鏡市場とJINS

眼鏡市場がチェリナードに出店したのは、2008年。反対側にヤマダ電機の出店もあり、サンロードに対して地味だったチェリーナードが賑やかになってきた頃でした。対するJINSは同じチェリーナードに2010年に出店。ただしこのときの店舗は、中道通りに2007年にオープンした店舗に次いでの2店舗目ということで、売り場面積も小さなものでした。

つまり今回の出店は、中道通りの店を閉め、移転統合という形で大型店の出店という形になります。明らかに眼鏡市場の牙城に対する殴り込みということで、開店前のプロモーションにも大変力が入っていました。

JINS吉祥寺のプロモーション

株式会社ジェイアイエヌの田中仁社長は、眼鏡業界のユニクロを目指しているということを公言しています。海外の工場で自社デザインの製品を製造させる、店舗はアルバイトの比率を増やし人件費を縮小するなどの類似点が見受けられますが、コラボレーション広告、製品という戦略についても、ユニクロを参考にしていることがうかがえます。

たとえば、有名人が自社製品を身につけているだけのシンプルな広告。また、ワンピースやエヴァンゲリオンといったアニメーションコンテンツとのコラボレーションなど。今回の吉祥寺店プロモーションでは、そうしたコラボレーションを一歩進めて、吉祥寺の街全体とのコラボレーションというものを行っていました。具体的には、吉祥寺の有名店店主が自社製品をつけている写真を用いて、街中に広告を流していました。

ここまで大々的に広告を打たれると、眼鏡に関心の無い人間にも知れ渡るような、街の事件になります。ここまで力の入った広告を打つ見返りはどこにあるのでしょうか。

既存店を追い落とす戦略

この広告戦略が成功となるのは、眼鏡市場の売り上げを奪い、現在の店舗を閉鎖、撤退させた時でしょう。眼鏡店戦争でチェリーナードの一角を眼鏡のメッカと認識させつつ、最終的にはその場所での売り上げを全部かっさらえれば成功なのです。
こうした構図を、どこかで見たことがあります。ブックス・ルーエ地階に百円ショップCanDoのオープンという記事で書きました、ブックオフ大型店のブックス・ルーエ付近への移転です。
吉祥寺でこのような戦略をとることができるのは、高いテナント料が固定費となって店舗の運営を圧迫するという事情によるものではないでしょうか。つまり、ライバル店の売り上げを奪い、頭を押さえつければ、簡単に不採算店舗を作ることが出来るのです。

靴屋戦争、背広屋戦争、ドラッグストア戦争…思えば、今回ほど街中を巻き込んだものでなかったにしろ、これまでも吉祥寺で戦争は行われてきたと言えるかもしれません。

戦争の後に、焼け野原が広がるばかりになってしまわなければよいと思わずにいられません。

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コメント

  1. […] また、街中にオープン日を知らせる広告を打っています。吉祥寺の有名な商店主、文化人などを起用した地域密着型広告。この広告手法はJINSのオープン時にも使われたものですね。 オープンに合わせて、「吉祥寺LUCKYすごろく」というスマートフォンゲームも配布します。9月26日から10月13日までの間、タイアップした近隣の21店舗も登場するすごろくゲームのキャンペーンを行うそうです。 […]

  2. […] さて、月窓寺に戻ります。このように順調な発展を遂げ、現在では公示地価の高さが有名になった吉祥寺の街ですが、サンロードやハモニカ横丁といった辺りの土地の所有者は、依然として月窓寺のままです。この月窓寺の土地を昔から借りていた商店主が、新たに吉祥寺で店を開きたいというオーナーに又貸しをして…というような構造になっているため、結局吉祥寺で店を営んでいくというのは多大なるコストにつながるのです。そして、新たに店舗を立て替えする場合は建築承諾料を月窓寺に支払わなければならない。この辺りが、ハモニカ横丁の再生プロジェクトでは垣間見え、JINSの吉祥寺プロモーションでは戦略の中核となりといった吉祥寺事情です。 月窓寺が吉祥寺を掌握していることには、良い面もあります。吉祥寺で新規店舗開業しようとする人の傍らで、いきさつを眺めていた事がありますが、最終的に土地のオーナーである月窓寺の意向は絶対ということで、かなり厳しく利用の条件が出されていました。まさに、隅々まで目を光らせているということなのかもしれません。 […]