いせや公園店 改築のため一年間休業

いせや総本店 公園店

七井橋通りのいせやが、店舗老朽化のため6月末から1年間休業し、改築を行うそうです。本店の小綺麗なビルへの転身も記憶に新しいわけですが、井の頭公園に隣接した公園店のボロボロ具合を知る人からすれば、いよいよこちらもかといった、ひとしおの感慨もあるのではないでしょうか。

いせやというのは、吉祥寺の老舗の焼き鳥(やきとん)屋で、吉祥寺通りの本店と七井橋通りの公園店ともに井の頭公園の出口を押さえる形で営業しており、公園とは切っても切り離せない関係にあります。花見シーズンの混雑は勿論、それ以外のシーズンにも、いせやで焼き鳥を持ち帰りで購入しそのまま公園を散策という楽しみ方をする方が結構いらっしゃいます。
もちろんテイクアウトだけでなく、店内で飲食することもできるのですが、この店内がとにかくレトロです。丸椅子に簡易テーブル。壁に貼られたメニューが真っ黒。給仕さんは割烹着の出で立ちで、鉄瓶から甲類焼酎をグラスに注いでくれる。レトロ風居酒屋が裸足で逃げ出す洗練と無縁の雰囲気は、まごうことなきアジアの街の居酒屋です。

焼き鳥は一本80円で頼めます。いせやは吉祥寺特集で必ず名前が挙がる程ネームヴァリューが大きくなってしまったため、過度に期待して来店しがっかりして帰る方も多いのですが、焼き鳥の味はお値段通りといった感じです。冷めると一気にパサパサになってしまうので、頼んだらすぐに食べる、もしくはテイクアウトして家で電子レンジで温め直して食べるといった食べ方が適切であるように思います。
そうしたがっかり体験のおそれゆえに、地元の方に焼き鳥について聞いてもなんとも歯切れが悪いのですが、対照的に焼き鳥以外のサイドメニューについては積極的にプッシュされる方が多いように思います。シュウマイや餃子、もつ煮などどれも控えめな味付けで、焼酎のアテにするには最適です。

餃子、唐揚げ、もつ煮

餃子、唐揚げ、もつ煮

梅エキス

梅エキス

実は焼酎を楽しむための裏メニューとして、瓶に入った梅エキスを無料で頼むことができます。お湯割りに溶かして飲むのですが、このエキスがほどよく甘くなくて、実に飲み食いを促進させるのです。

雑然としたいせやの雰囲気も、6月までと考えるともったいないですね。いせやに訪れた事がない方は、混んでいるかもしれませんが、改築前に一度足を運んでみて下さい。裏メニューの梅エキスを頼むのもぜひ忘れずに。

追記:
2003年9月、つまり改築前のいせや総本店を紹介したDVDを見つけました。その他、舗装工事前の懐かしいハモニカ横丁も紹介されています。そういえばおこわ屋さんなんかもありましたね。

コメント

  1. […] 吉祥寺の老舗焼き鳥屋「いせや」の公園店が7月に閉店し、建て替えをしているということは以前の記事で触れました。新装オープンは2013年予定だそうで、それまで一年間は本店の方に通って下さい、としても良いはずなのですが、そこは本店派と公園店派で客層に派閥が存在するのか、わざわざテナントを借りて公園店の仮店舗として営業を続けるようです。 […]

  2. […] 1年以上の長きにわたって改装工事を続けていたいせや公園店。工事の最中に縄文時代の調理場が発見されるなど、色々と話題にも事欠きませんでした。 現在では工事用の柵も取り払われ、これまでベールに隠されていた建物の様子をうかがうことが出来るようになっています。新しい公園店は、以前の建物と対照的なオシャレな色合いで、雰囲気としては公園店の正面にある金の猿に合わせている感もあります。店の入り口の横のテイクアウト注文スペースもそのままなので、リニューアル後も、七井橋通りの出口に焼き鳥のケムリを充満させることに期待してよいのでしょうかね。 […]

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