上井草の自家焙煎豆販売店 オリエント珈琲

武蔵野三大湧水池ウォーキング。善福寺公園から石神井公園までを当てずっぽうに歩くと、上井草駅前にて長大な坂にぶつかることがある、と既に書いておりました。そして、その坂の終わりには丁度SLOPEという名前のカフェがあって、坂を登った達成感から一服せざるを得ない、とここまでも既に紹介済みです。

井草中学校バス停前の焙煎豆販売店

そして件のSLOPE坂の開始地点付近には、またコーヒー好きへの誘惑が存在するのです…西武バスの井草中学校バス停丁度目の前になるのですが、遠目には完全に個人宅にしか見えない、けれども珈琲豆販売ののぼりで商売をやっているらしいことを察知できる、そんなお店があります。

オリエント珈琲

近付いてみても店の名前を大書した看板はなく、アルミサッシに洗濯物ハンガーでエプロンが数枚吊るされており、生活臭を感じます。ただよく見るとそのエプロンは売り物であるようで、おそるおそる店内を覗くと、確かに大掛かりな焙煎器具やショウケースに並べられた珈琲豆の数々をみとめることができます。

オリエント珈琲の店構え

オリエント珈琲の店構え

西荻窪にもアロマフレッシュという焙煎豆販売店があり、こちらも少々お店であることがわかりにくい雰囲気ですが、それ以上。2、3度前を通りかかっても入り辛くスルーをしていたのですが、ある日の散策でとうとう店内に足を踏み入れてみました。

オーディオ装置が沢山ある店内にて

店内に一歩足を踏み入れると、音楽がかなり空間を満たしていました。販売商品である焙煎豆のスペースと、焙煎の機械が何種類も。でもその他の空間は全てターンテーブルやアンプ、スピーカーなどのオーディオ装置、それからレコードが占有しているのです。ずっとかかっている音楽はジャズ。音楽を聴かせながら育てる作物の話をよく耳にしますが、良い珈琲豆の焙煎にはジャズが適しているのか…?と納得しかけます。
そして入店する直前までは頑固で仙人のような店主の姿を想像していたのですが、実際お店の中にいらっしゃったのは話し好きで実に穏やかそうな(でも、仙人であることはにわかに否定できなそうな…)店主でした。

店の表に貼り紙があったように、このお店、オリエント珈琲では焙煎豆の試飲をさせてくれるようです。お湯を沸かして丁寧に珈琲を淹れて下さる間に、色々と会話をさせていただきました。まず、店内の主役となっているスピーカーやアンプ等の装置ですが、店主のカスタムであるようです。曲や使われている楽器の種類によっても適した組み合わせがあるようで、わざわざ繋ぎ変えて鳴らしてみせてくれました。珈琲の出来上がりを待っている間の音楽は、まるでジャズのライブハウスに居るかのように臨場感に満ちたものでした。
そして、気になるこのお店のことについてもうかがってみたのですが、結構な昔から営業していて、昔は鉄道会社系の喫茶店都内一円に珈琲豆を卸していたりと、手広く商売をされていたそうです。上井草のこの立地で(さらに趣味性も高そうな店構えで)どのように商売をされているのか不思議に思っていたのですが、なるほど卸売が専門であるわけですね。でも、ご贔屓になさっている地元の方の来客もポツポツとありました。

深煎りの珈琲豆は本当に深煎り

私自身のジャズやオーディオの知識が本当に浅いものなので、その点で掘り下げた話はできず残念に思ったのですが、詳しい人が来店すれば本当に話が弾んで終わらないだろうという雰囲気でした。珈琲と音楽を御馳走になってそのまま帰ってしまわないよう、忘れずに豆を注文。

オリエント珈琲で購入した焙煎豆(細挽き)

オリエント珈琲で購入した焙煎豆(細挽き)

ビニール製の密封パッケージに、ラベルをセロテープでペタリと。簡素ではありますが、充分なパッケージです。期待をしつつ家に帰ってからドリップしてみたのですが、漆黒のような深煎りで、幾分日にちが経ってしまった後でもかなり愉しめました。

というわけで、コーヒー好きは善福寺公園から石神井公園まで歩く際の一服の誘惑だけでなく、石神井公園から善福寺公園方面へ帰ってくる際のお土産の誘惑とも戦わなければならなくなったわけです。コーヒーと音楽からの、二重の誘惑。井草中学校バス停の目の前に店舗があると書きましたが、このお店にふらっと足を踏み入れて、コーヒーとジャズの世界に入門していく中学生などもいるのでしょうか。

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