善福寺川の湧水ポイント 原寺分橋下の湧水

原寺分橋下の湧水 善福寺公園
原寺分橋下の湧水

睡蓮の花が咲き乱れる初夏の善福寺公園を訪ねるついで、善福寺川に2つある湧水ポイントの内の1つ、原寺分橋下の湧水まで歩いてみました。

善福寺川に2箇所の湧水

2箇所あるという善福寺川の湧水ポイントですが、その内1つについてはかつて当サイトで言及したことがあります。桜の開花を追って和田堀公園に向かった際に出会った御供米橋。その傍に「善福寺川御供米橋下流」という東京の名水57選に入る湧水ポイントがあるということを説明しましたね。

御供米橋と桜

御供米橋と桜

ただし、この湧水ポイントは川岸のコンクリートの間から目立たないように流れ出るものであったため、花見に訪ねた際には確認することが出来ませんでした。
一方、もう一つの湧水ポイントは善福寺公園と西荻窪との間にある、原寺分橋(はらてらぶばし)という橋の下にあります。

原寺分橋下の湧水

こちらは名水57選に入っていない、名水失格の烙印を押されてしまった可哀想な湧水ポイントですが、意外にもこんこんと力強く湧き出る姿を観察することが出来る、素晴らしいポイントです。善福寺公園方面から、この原寺分橋を目指して歩いてみましょう。

善福寺川の底に生える植物

善福寺公園の下の池から、善福寺川は一旦北東方面に向かいます。その後大きく蛇行をして、今度は真南を目指して流れるようになります。川の側道を歩いていると、眼下の川底に善福寺公園下の池で見たような植物が生えているのが分かります。

善福寺川のアシ

善福寺川のアシ

この植物は、はるばる下の池方面から種が流されてこの場所に居着いたのだ、と想像もはかどります。はるか遠くの神田川にまでたどり着いた子孫はいるのでしょうかね。

しばらく南方面に歩くと、井荻小学校が見えてきます。川は井荻小学校の敷地内を流れるため、側道は一旦打ち切りです。迂回して南に進み、再び側道に戻ると、小学校敷地内の川には緑の屋根がついていました。

井荻小学校敷地の善福寺川

井荻小学校敷地の善福寺川

そして、進行方向を見ると浮葉植物が。睡蓮…?だとしたら、やはり下の池から流れてきたのか。善福寺川も睡蓮の名所と認識しなければならないかもしれません。

点在する浮葉植物群生

点在する浮葉植物群生

原寺分橋付近へ

原寺分橋は、善福寺川と東京女子大の前を通る女子大通りの交点にあります。橋付近には謎の建物と、湧水の仕組みを示す立て看板があります。

おそらく観測施設かと

おそらく観測施設かと

湧水のしくみ

湧水のしくみ

そして足下を眺めると、ありました。コンクリートから湧き出る水と、その場所を示す丸い囲い。

原寺分橋下の湧水

原寺分橋下の湧水

湧出量も馬鹿に出来ない程あるようで、水がこんこんと湧き出していました。また、埋められたパイプ以外の場所(コンクリートの割れ目など)からも湧き出していました。とにかく人工物に負けない、自然の力強さを感じます。
遠目に引いてみますと、湧水ポイントの手前の壁にぽっかり穴が空いているのが分かるでしょう。これは大雨の際に武蔵野市方面からの雨水を流す水路のようです。善福寺川がたびたび氾濫している、原因の一つでもあるかと。

武蔵野市の下水合流地点

武蔵野市の下水合流地点

そうした現状に対して武蔵野市側は、雨水を一時的に貯める貯水槽を作って対応することを考えているようですね。それがこの間紹介した、造成中の吉祥寺東町一丁目公園の地下貯水槽に当たるわけです。
氾濫し易い善福寺川に対しての対策、下流では善福寺川緑地公園の調節池を建設中です。現代の東京においてもなお、川を手なずけるというのは大変な課題なのですね。

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