外食チェーンに盛衰あり。以前勢いのあるチェーンとして紹介した、「東京チカラめし」ですが、紹介した西荻窪の店舗を含めて、店舗数削減のための閉店が相次いでいます。2012年9月に怒濤の勢いで100店舗を達成し、その後も出店攻勢をかけていましたが、一転、削減に転じた事で、現在の店舗数はまた100店舗程度に戻ってしまっているようです。
外食チェーンで大手の牙城に切り込んで行くには、勢いだけでは足らず、二の矢、三の矢と施策を続けていく必要があるのでしょうが、元々人件費と設備投資を切り詰めて開店攻勢の負担を減らしていたチェーンですから、あまり打てる手が多くはなかったのかもしれません。
さて、最近勢いのある外食チェーン、こちらはテイクアウト弁当のチェーンですが、株式会社ササフネの「丼丸」というチェーンがあるそうです。
株式会社ササフネという会社、元々は昭和54年に東京都葛飾区で創業し、テイクアウトも店内飲食も出来る安価な寿司店という形態で、店舗展開をしていたそうです。そのテイクアウト部分、それも海鮮丼という商品に絞ってスピンアウトした形態の店が、「丼丸」で、平成19年に1号店を出店、平成24年からはフランチャイズ展開も行うようになり、平成26年1月現在、80店舗を数えるほどまで成長しているようです。
前置きが長くなりましたが、先日吉祥寺を歩いていると、この丼丸のフランチャイズ店舗が新しくオープンしているのに気付きました。
お店の場所は、五日市街道のブラジリアン柔術のジム クロスポイントの隣ですね。
丼丸のフランチャイズ店の場合、「丼丸 ○○」や、「○○ 丼丸」のような名称で出店します。「丼丸 悟天」の1号店は同じ五日市街道、かなり西荻窪よりの場所に昨年8月に出店しており、こちらの吉祥寺東店が2号店となるようです。
さて、丼丸悟天の2号店出店がありきたりなニュースでない理由は、店の場所から五日市街道の西側を眺めたときの、この写真に凝縮されているでしょう。
この場所はオリジン弁当やほっともっとなど、大手弁当チェーンが出店する弁当激戦区であるわけです。
そもそも広く知られているように、オリジン弁当などが出店候補に選ぶ場所というのは、コンビニが既に出店している、弁当ニーズが潜在的に高くあるところ。その高いニーズを、コンビニ弁当に対する豪勢感等の比較優位で切り取っていくという戦略です。この写真でも、奥まった所にファミリーマートが写っています。
そうした大手の食い合いに、丼丸の商品である「海鮮丼」が食い込んでいけるのか。なにやら試金石的な性質の出店と捉えることも可能ではないかと思うのです。
勿論、丼丸悟天はフランチャイズ契約、つまりのれんを借りているだけの店舗ですので、丼丸の本体の意向を反映してこの立地を選んだわけではないでしょうし、また結局この場所で競争に敗れてしまったとして、丼丸自体にはダメージがありません。
ただ、丼丸の商品の海鮮丼が、コンビニ、大手弁当チェーンともに提供しにくい商品である事を考えると、こういった場所でどれくらい切り取れるか、貴重なサンプルにもなるのではないかと思います。
1年、2年経過した後の、この場所の光景の変化も楽しみですね。
(2015.11追記)
やや遅報ですが、こちらのお店は現在『銚子丼丸』と名称を変えていますね。丼丸フランチャイズはそのまま、オーナー・スタッフの入れ替えだそうです。
『銚子丼丸』自体が吉祥寺店で5店舗目となるようですが、フランチャイズ内フランチャイズのような仕組みにでもなっているのでしょうか。
コメント
[…] このお店はしばしば季節や行事にかこつけた販促を行います。夏にはパラソルの下にビニールプールが拡げられ、水風船を配っていたり、正月には店頭で餅つきをして餅の無料配布をしたり。2012年にできた店とは思えないくらいの存在感を放っています。 先日ゴールデンウィーク期間中(4月26日〜5月6日)には、2周年記念として、サイコロを振って出た目により割引や無料券の配布といったイベントを行っていました。6分の1の確率で全額無料、その他の目でも会計20%引きや200円引きなど、ハズレ無しで特典を受けられるキャンペーンでしたが、それはなかなかどうして吉祥寺という街での生き残り方なのではないかと不思議な感動を得たのでした。 ちなみにお店の場所は、以前紹介した五日市街道の弁当激戦区からそう遠くない所。常連を獲得できれば、といったところですね。 […]