お天気の事情などあって、満開よりも少し早い段階での桜を見に行って来た今年の三大湧水池桜リポート。今回は石神井公園編です。
石神井氷川神社の参道から花見行
石神井公園の園内への入り方は様々あるのですが、桜の季節には石神井氷川神社の参道となる石畳の始まるところからアプローチしたくなります。というのも、この参道の脇に植えられている桜がまた凛々しくて素敵だからです。
直前の武蔵関桜の観賞で川に向かって枝を下ろす曲がりくねった桜をしこたま観賞していたため、この参道にある直線的で人の手が届かないところに花をつける桜がむしろ新鮮に思えます。
参道を進む途中の植え込みには貝母(バイモ)と諸葛菜(ショカツサイ)の花が。瑞々しい色の組み合わせが目を引きました。
それでは境内右手、石神井城跡碑の方へと下りる入口から入園しましょう。
三宝寺池側の幻想的な幽霊桜
入園後すぐに迎えてくれたのは満開のコブシの花でした。三宝寺池側のエリアは沼沢植物群落となっており様々な植物が鑑賞できます。
このエリアの桜名所と言えば、”三宝寺池沼沢植物群落”石碑付近から眺めることのできる桜の樹です。
同じスポットで花をつける藤もそうなのですが、野趣溢れる姿が白装束にボサボサの頭で出てくる昔話の幽霊みたいです。この幻想的な桜の前に何人もの来園者が足を止めていました。
ボート池周辺の桜と柳
横断歩道を渡って、ボート池の方に行きます。
以前メタセコイアとラクウショウの見分け方を書いた記事で紹介しましたが、ラクウショウの周りには呼吸根という地面から生えるコブ状の根が顔を出します。これが公園利用者にとって歩行の危険になりやすく駆除されてしまうことが多いのですが、こうして柵内で保護されている姿を見ると温かい気持ちになります。
石神井公園のボート池に生えている謎の彫刻として紹介されることも多い”聖衣”ですが、ラクウショウの呼吸根の親玉だと思うことにしました。
武蔵野三大湧水池のボート事情ですが、先日パンダボート&コアラボートが導入された善福寺公園、スワンボートに1艘眉毛付きのものがある井の頭公園、黒スワンが1艘存在する石神井公園といったようにどの公園もちょっとしたレア要素を入れてきています。
ボート池の桜が集まっている場所といえば北岸側です。過去のリポートでも触れてきていますが、桜が満開になる頃は丁度柳の葉も若々しく風に揺れる姿を見せてくれる時期なので少々異国風な光景を見せてくれます。
桜の枝が池に突き出ている箇所では、ボートで水面からアプローチしようとする人々がどんどん集まってきます。
北岸から今度はラクウショウを対岸に眺めるアングルです。
ボート池を一周して水辺の桜を遠景・近景と堪能したのでした。
蝶々園と広場の桜
横断歩道を再び渡って、三宝寺池エリアに帰ってきます。今度は池の周りでなく北側の野球場の方を目指します。
梅のリポートでも登場した蝶々園ですが、梅の花が終わったと思ったら周囲に入れ替わるように桜が咲いていました。
野球場前のスペースでブルーシートを敷いて花見をしている家族がちらほら。週末にもなればもっと沢山の人で溢れるはずです。お天気さえどうにかなれば…
さくら広場の桜。ベンチに座ってゆっくり鑑賞するのも良いかもしれません。
再度三宝寺池の方に下って、厳島神社の方に。山吹の花が鮮やかに咲いていました。
公園の桜はまだ満開になっていない状態だったのですが、池の端っこにはすでに散った花の花びらが集まっていました。樹のてっぺんまで満開になった桜を見ることはできても、無欠の状態の桜というものを見ることができているわけではないのですね(早く咲いた花は満開を迎える前に結構散ってしまっている)。
人々が歓迎する満開の絵面の裏に、それとは関係なしのライフサイクルを経てひそかに散っていく花もあるということでちょっと感傷的になるのでした。
次回は大トリの善福寺公園です。
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