だいぶ昔の話を今更。
2019年4月1日の11:30頃、菅官房長官によって本年5月1日より使用される元号、『令和』が発表されました。4月頭に発表されて、5月の頭から改元というスケジュールは賛否両論、というよりおおむね当惑をもって迎えられたものでしたが、花見の時期にちょうど元号が変わる、新たな時代を迎えるという話題が巷間立ち上ったことで、花が咲いて散る様に平成という時代の始まり終わりを投影し眺めるという愉しみ方をする趣があったのではないかと思います。”平成最後の〜”と修飾された桜ならばぜひこの目に焼き付けておきたいと、普段の年は桜などに目もくれない方々が開花情報のチェックに勤しんだ、なんてこともあったのではないでしょうか。
井の頭公園での花見、前半は寒そうにしている方が多かった
今年の桜は開花を迎えてからしばらくの大気の冷え込みを受け、結果的には随分と長い期間花を咲かせ続けてくれていたように思います。同様に開花後に冷え込み降雪まであった昨年には、開花して一度目の週末が寒く、週の真ん中辺りに気温がグッと上がり散り桜に変わってしまったため週末の花見が慌ただしかった記憶がありますが、今年の桜の場合寒さにさえ目を瞑れば、週末に花見のできるタイミングも3回くらいあったようです。
2019年は東京の桜開花日が3月21日で、満開日は3月27日でした。開花日以降最初の週末は3月23日・24日だったわけですが、このときに既に井の頭公園では気の早い花見をしている集団が沢山。昨年の教訓により、いつ散り始めるとも分からぬ桜、見られるときに見ておこうという心づもりなのでしょう。
ブルーシートで陣取って花見宴会組も居ましたが、大半は公園内を練り歩きポイントポイントで咲き始めている桜を眺めようという客。日の出ている内に歩いていても寒かったのに、この後宴会で22時の刻限近くまで盛り上がっていた組は、翌日に風邪を引かれたのではないでしょうかね。
夜桜もこの頃はまだ寒そうです。
昨年公園内にオープンしたコーヒースタンド”INOKA”も、お花見シーズンに合わせたお祭り屋台のような営業形態になっていました。硬派なコーヒースタンドっぽく営業を始めたこのコーヒースタンドが、段々と従来の公園内店舗っぽく肩の力を抜いていくさまはなかなか面白い変化だと思います。井の頭池南岸のブルースカイコーヒーさんも、花見の時期にサクラスタンドと名称を変えて恒例の特別営業。写真撮影禁止のスタンスが商品購入前撮影禁止と軟化していたのも印象的でした。
散らぬまま風に揺られる桜が見られた中頃
さて、満開宣言出された後、3月30日・31日の週末です。流石桜の名所井の頭公園、人混みのせいで公園を一周する頃には公園のことが嫌いになってしまいそうです。
池周辺の混雑を避けて花を見るなら、水面に避難しよう。そう考えてボートを借りる人も多いのか、ボートの大渋滞も同時に発生していました。あらあらごめんなさい、で済む程度の軽微な接触事故も多発していましたね。
今年の桜で印象的だったのは、若干つぼみを残しほぼ満開状態〜散り始めの間の完全な形を保った桜を見られる期間が長かったことです。強い風に吹かれても花びらを散らさずそのまま揺れる桜を、週末の花見のタイミングで見られたことは平成最後の良い出来事でした。
まだ散らぬ桜を探した後半
さて最後の週末、4月6日、7日です。冒頭の新元号発表を経て、さあ新たな時代がやってくるぞというテンション。令和もかなり経過してしまった現在では実感も薄くなりましたが、結構な盛り上がりがありましたよね。
池の周りの桜はかなり散り始めて、水面をピンク色に染め上げていました。
毎年目撃する井の頭公園の「宴会は22時まで」スローガンですが、これを見た人は思わず口に出して読み上げてしまうという魔力があるらしく、花見期間中は何度も何度もフレーズを耳にしました。
毎年凄い樹だなと感心するこのアパート横の桜も、結構長く花を見せ続けてくれましたね。まだ散らぬ桜を求めて逍遥。花見期間後半にはこういった愉しみ方もあります。
平成最後の花見、期間を通じて本当に賑わっていたように思います。こうして明るく時代の終わりを祝えたこと、生前退位のご決断に感謝しなければなりませんね。
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