ビアパブ、ビアバル、クラフトビールの飲める飲食店…吉祥寺の街はいまや手軽に飲めるクラフトビールで溢れかえっています。ただ少々過剰出店気味にも見えて、需要と供給のバランスは本当に大丈夫なの?と吉祥寺圏にクラフトビールの飲める店ができれば紹介し、新規出店にエールを送り続けてきた当サイトでも困惑しつつあります。吉祥寺駅周辺に出店していた二郎系ラーメンのように、需要が落ち込んだらある日突然全軒消え去ってしまう結末になるのではないかと、今から不安でもあります。
シュマッツビアダイニング開店
そんな不安は脇に置いておいて、新たな趣向をもったビアパブの出店・挑戦はいちビールファンとしていつでも手放しで祝福したいと思います(飲めるビールの選択肢が増えるのは良いことです)。11月16日(木)に中道通りにオープンするのは、表参道、赤坂、神田といった23区内で本場ドイツのビール&料理が楽しめるダイニングキッチンを展開するシュマッツ(Shmatz)。若いドイツ人創業者達によって日本に居ながらドイツと同じクオリティの食事を体験できることを目指して開業したシュマッツは、提供するビールについても本場のレシピ(もちろん、ビール純粋令準拠!)と本場の原料使用のオリジナルビールです。つまり、オクトーバーフェストで飲めるようなビールがいつでも吉祥寺で楽しめることに。本オープンの何日も前からプレオープンとして営業をしていたので、空いてそうな時間を見計らって行ってきました。
店の様子、店内の雰囲気
店の場所は、中道通りのユニクロの隣。階段を地下1階に下りていくとすぐに店内スペースです。プレオープン期間だからなのか、あるいは少し分かりにくい場所にあるからなのか、階段の上でお姉さんが2人呼び込みを行っていました。「ドイツ料理のお店です〜」と通行人に声をかけていたので、ビアパブ的に認知されるよりも吉祥寺の各国料理が食べられるお店の1つといった路線で売り出したいのかなと感じました。
オープン記念ということで、その呼び込みのお姉さんに話しかけるとお得なクーポンが貰えるようです。1枚持っていけば全員1杯目のビールが無料になるクーポンということで、もう期間中の1軒目は毎日このお店でも良いのではないでしょうか(ハタ迷惑な客です)。
店内はレンガの装飾に裸電球の照明と、少々無骨なビアダイニング感があります。若いスタッフが多く、よなよなビアワークスの雰囲気にも似ている感じです。
営業形態が少し複雑で、ランチタイムが11:30〜15:00、カフェタイムが15:00〜17:00、ディナータイムが17:00〜23:00ということで、それぞれの時間で頼める料理が異なります。ディナータイムはお通し料金300円(なんとも日本的!)が必要ですが、ランチタイムとカフェタイムにはありません。提供されるビールは時間帯を問わず共通ですが、1杯650円からのビールがランチのセットだと300円になるところと、ディナータイムにはビアカクテルにする選択肢もある所が大きな違いですかね。
ビール&料理のレポート
さてそれでは本題、ビールと料理の味はどうかということです。オリジナルビールは先程も書いた通りレシピと原料がドイツ製で、醸造については日本のクラフトビールメーカーに委託して醸造をしている模様。吉祥寺店限定の吉祥寺ピルスナーを頼んでみます。
このケースの場合、吉祥寺の地ビールという括りに入るのかは分かりませんが、吉祥寺の名前を冠するだけある飲み易いピルスナーです。根本的にドイツビールの癖が受け付けないという人はこれを頼んでおけばOKだと思います。
色々なスタイルのビールを試したい場合、3種類飲み比べセットがお得な1100円であります。
ピルスナー以外のビールは、やはりドイツビールという感じがしますね。ドイツビールという括りの中では、この店オリジナルでない銘柄(3種類)も含めてバラエティは多めです。
ヴルストはドイツ風ソーセージのことですが、1本でも結構ボリュームがあって肉の香りもグッドです。勿論、下敷きになっているザワークラウトもしっかり酸っぱい。
なるほど流石に創業者がドイツ人なだけあって、日本のドイツ風を謳うビアパブよりももう少しドイツに寄っている感じがありますね(メニューにも、ドイツのアレンジ料理と書いてありました)。本場そのものかというとそうでないところもありますが、雰囲気がしっかり感じられます。
ということで、吉祥寺のビール界隈に新たにドイツビールの選択肢が増えてくれました。それもドイツビールと全く関係のない料理が出てくるのでなく、ちゃんと現地料理と一緒に飲めるというのは幸いなことです。また、今回は注文しませんでしたが、吉祥寺店だけにあるカフェタイム限定メニューとして、ドイツ流スイーツのカイザーシュマーレンなどが頼めるようです。カフェタイムには(インスタ映えしそうな)ノンアルコールドリンク類も充実しているので、ビアダイニングという名前にとらわれない柔軟な利用ができそうですよ。
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