毎年レポートを行っている、武蔵野三大湧水池の桜の開花。ニュース番組で東京都の桜開花宣言が出されたとの報を聞くやいなや、公園に駆けつけて写真を撮ろうとするのですが、勿論武蔵野の桜開花は都心よりも幾日か遅いため、あまり狙ったような開花写真が撮れません。
というわけで、気が早い桜撮影の記録を毎年”開花前夜”という名前のレポートにまとめて、お茶を濁しているわけです(笑)。主役の桜は不在。それでもレポートを覗いてやっても良い、そんな菩薩の心を持った方はどうぞお付き合いを。
梅と桜の間に辛夷(コブシ)あり
桜が開花する前夜というのは、春を告げるもう一枚の看板役者、梅の花が見頃を終えて、枝には散り際の花があるばかりという時期でもあります。
一方、池の周りの桜の樹を見ると、開花前後僅か数日の違いでこれほどにも季節感が異なるのか、と思うほど”冬の樹木”感を醸し出しています。
これぞ春、というような花の咲き乱れる姿は、今頃の井の頭公園では見つけられない。そういった心配も、この見事に満開になった花を見れば吹き飛ぶでしょう。
遠目には桜の大樹が花を咲かせているように見えますが、実は辛夷(コブシ)です。辛夷の樹が池に枝を投げ出すと、水面は姿見のようになります。
ということで、辛夷の樹の周りで写真を撮っている人の多い日でした。流石にビニールシートを拡げて、すでに呑み始めている人はいませんでしたが。
毎年恒例の垂れ幕、稲荷跡に供えられた花など
井の頭公園で今頃見られる花は、辛夷だけではありません。
黄色い花をつけるサンシュユ。桜が満開になってもその花色がアクセントとなってくれるでしょう。
毎年花見の時期が来ると掲げられるキャッチフレーズ。「宴会は22時まで」
桜のいない花見の最後に、かつて親之井稲荷神社があった場所へと行きました。
この場所を通りかかると、いつも供えられた花を見かけます。放火により焼失してしまってから2年が経とうとするところですが、なおも忘れ去られることなく、信仰の対象となり続けているようです。焼失後1年の間は、焼け残った姿でそのまま放置されており、現場への立ち入りも制限されていたのですが、そうした状態は異常であったのだと改めて思い知らされました。
コメント
[…] 続いて善福寺公園の桜開花前夜レポートです。丁度1週間前は桜がまだ咲いていなかったので、桜の画が撮れませんでした、というのは井の頭公園レポートに同じく。梅と桜の間に春を告げる花の写真集です。 […]