吉祥寺ハモニカ横丁の名前を携え、すわテナント達の一大エクソダスかとも思われたハモニカ横丁ミタカ。2013年8月に鳴り物入りでオープンして(随分長い間鳴り続けていた鳴りものでしたが)以来、各種メディアの好奇心も落ち着き、街のニュースをチェックすると嫌でも動静が分かる状態ではなくなりました。それで、最近どうなんだろう?そんな疑問が浮かんだので、久しぶりに足を向けてみることにしました。
休日の昼間にうかがってみると、辺りに人通りは無く、ハモニカ横丁自体もイマイチ営業中なのかがよく分からない状態でした。一応午前中からやっている店も、数軒はあった筈なのですが。
元々物件の周囲には他の店舗も無く、駐車場に用がある人以外は来ないような場所でした。オープンした当初の目論見としては、ハモニカ横丁のハード自体が新たな人の流れを作り出す仕掛けとなることが期待されていたのではないかと思うのですが、それが未だ叶っていないということなのでしょう。
そもそも、当初完成予想図などで示されていた外観には、ハモニカ横丁であることを示す英字の看板などがあった筈です。蓋を開けてみれば、それよりも地味な見た目になったためか、周囲の駐車場と比べても特段目立たず、風景に埋没してしまっている印象があります(勿論、夕方以降は店内からの灯などで、いくらか賑やかになってはいますが)。周辺の権利者との兼ね合いあって地味目にしているのかわかりませんが、ここではなんとかハード自体が目立たないと、人の流れを曲げられません。
居酒屋中心の施設の賑わいを、休日の昼の人出で判断するのも酷な話ですが、一応本家のハモニカ横丁では昼時の集客にも成功し、それが話題として広まっていきました。他の街で話題になっている横丁も、昼間に賑わっているということでムック等にも取り上げられ、持て囃されるようになった感があります。
ハモニカ横丁ミタカでも、本家と同じような昼間の集客のため施策自体は行っているように見えますが、元々シャッター街時代にも駅までの通り抜け通路として人の流れがあった本家との、立地面での差が大きなネックとなっているのかもしれません。
2月末に新テナント2店がオープン
さて、そんなハモニカ横丁ミタカの最近のニュースで、入居テナントの交代というものがありました。以前入居していた焼肉『ブラジルペンギン』と、アートグッズ『チェルシー』、輸入ワイン『セントラルワイン』がなくなり、代わりに本家ハモニカ横丁の寿司屋『片口』と、日本酒バーの『陸羽』が入居したようです。
『片口』と言えば、本家ハモニカ横丁に寿司屋が開いた意外性もあって、大きな話題を呼んだテナント。また、『陸羽』の方は新店ですが、50種類の日本酒がある”座れる”日本酒バー。傾向として、夕方から営業開始で、1軒目感の強かった『ブラジルペンギン』よりも、がっつりと吞ん兵衛の根を張らせるようなテナントに交代したのではないかと思います。
こういったテナントの交代は、場所柄不得手である昼間顧客の獲得を捨てて、夜間に注力し普通の居酒屋ビルを目指すという方針転換の現れなのかもしれません。ハモニカ横丁が三鷹にできると聞いたとき、誰もが「いや、それムリだろう」と思ったものですが、この微妙に繁華街からはずれた立地も、夜間営業限定の『ひろめ市場』を目指すというのなら、活路もありそうなものです。
コメント
[…] さて、最近のハモニカ横丁ミタカ(1)の続きです。2月末に新たにハモニカ横丁ミタカに入居したテナントに、日本酒バーの『陸羽』がありました(実際のオープンは2月中では無理だったみたいですが…どこかで聞いたようなエピソードです)。その『陸羽』のお披露目も兼ねたタイミングということであったのかもしれませんが、本家ハモニカ横丁、ハモニカ横丁ミタカ、吉祥寺じぞうビルのテナントが参加するスタンプラリーイベント、「越後ゆきぐに酒語り」が、2月28日〜3月23日という期間で開催されています。 […]