吉祥寺はかつて街全体が喫茶の街と呼ばれるほど、喫茶店数の多い街でした。Jazz喫茶のブームなどもあり、ひところは道を歩いていて喫茶店に当たらないことはないほどの、華々しい喫茶店の時代がありました。
今ではその時代の店の多くが、スタッフの高齢化や時代の変化により店を閉め、かつての喫茶の街の面影もわずかです(スターバックスの街とは言えるかもしれませんが)。吉祥寺にはそれでも、コンセプト感の強いカフェがちょくちょく出現します。
ミニカーカフェ
MINICAR SALON YUという、ミニカーカフェです。なんだただのミニカーカフェか…と流すにはいささか突飛なコンセプトのカフェです。このお店は、中道通りの店舗の2階にあります。
どうも、ミニカーを売っている店が飲み物も出してくれるというカフェであるようで、スイーツなどは全く無しです。棚に整列したミニカーと同じような作りのホームページでしたので、なんだか安心感をおぼえてしまいました。
つりカフェ
つりカフェです。しかも、主にエビを釣らせるそうで、つりカフェ界の異端ではないでしょうか。
つりカフェLa Cunがオープンしたのは、今年の5月連休の直前でした。店の前に集まる人だかりは、吉祥寺にもやっとこさつりカフェが…と口々に言うわけもなく、比較的混乱した反応の人だかりであったような気がします。
1時間ワンドリンク付き1500円の価格設定は、高いのかどうかすらわかりません。オンリーワンとは言えるでしょう。
(追記:こちらは閉店済み)
ハンモックカフェ
その他にも、ただでさえ変わりカフェと言えるハンモックカフェが、吉祥寺には2店舗もあったりします。mahika manoは、オープンしてからかなり経つと思うのですが、ただの流行で終わらずに、そのコンセプトが広く支持されたことを証明しています。
第一ホテルの裏に2010年にできた麻よしやすは、ハンモック席、ロッキングチェア席、通常のカウンター席など、ハイブリッドな形態となっています。
探せばまだまだ、奇天烈なカフェに出会えるかもしれません。喫茶の街を、名乗り直しても良いでしょうかね。
コメント
[…] 綺麗に陳列された商品を眺めると、興味の無い人間でもワクワクする。そうしたニーズもあるので、いっその事ミニカーカフェのようにカフェを併設するというのはどうでしょう? […]
[…] とは言え、事業主にとっては、この街の早い新陳代謝は難敵です。趣味性の高いカフェを開いて、悠々まったりとしたセカンドライフを送れる街ではなくなっています。そこでなにより、多くの人の耳に届きやすい、分かりやすいコンセプトを持ったカフェであることが、生き残りの手段として重要になるのです。 以前紹介した変わりカフェについても、無数にある吉祥寺のカフェの中からメディアにピックアップされることも多く、コンセプトの押し出しには成功できていると言えるでしょう。 […]
[…] 吉祥寺には自治体アンテナショップの出店が多い、ということについては、以前昨今の自治体アンテナショップ事情と吉祥寺という記事で紹介した通りです。全部で3店のアンテナショップが、吉祥寺に比較的根付いて営業しているという状況に変わりありません。 3店のうち、熊本県のアンテナショップ、くまもと物産館以外の2店は、中道通りにほぼ向かい合って営業しています。古陶器やオシャレなカフェやらミニカーカフェやら、かなりオールジャンルの店が雑然と並ぶ中道通りですが、八百銀という八百屋が長く営業していることからわかるように、地元の方が生鮮野菜を買いにもやってきます。そうした中道通りに最初に出店した高知屋のテーマが、高知産野菜の販売であったという事で、目の付け所がよくて長続きしているのではと思います。 […]