井の頭公園の、開園100周年記念事業であるかいぼり。2013-2014冬シーズンに1度目が行われたこの試みは、4年間で当初の計画通り3回が実施され、その間にこの井の頭公園かいぼりの評判を参考にテレビ東京がかいぼり番組を企画するなど、各方面に影響を与えています。
今年も底を見せた井の頭池と、イノカシラ・リバー
3度目のかいぼりは現在も実施中で、これから桜の季節に向けて抜かれていた水が戻されていくことになります。池が現在訪問客に晒しているのは、2015-2016冬シーズンのかいぼりでも驚きとともにレポートしたイノカシラ・リバー。人間がこの地に定住を行う遥か以前から天然の湧水池であった井の頭池は、都市化に伴う地下水の濫用などで湧水を涸らし、ポンプによる汲み上げが必要な半人工池となります。それでも一定量の水が湧き続けているため、そのポテンシャルがかいぼりの際には川となって地表に現れるのでした。
もっともこのイノカシラ・リバーの登場、流石に二度目ともなると作業員に予期され、抜いた水の集め先となるようホースでアシストされていました。池底の天日干しが今のところ円滑に行われているのも、こうしたノウハウが蓄積されてきたからかもしれません。
かいぼりによって目にする事の出来るお馴染みの光景は他にも。記念事業としてのかいぼりは今回が最後であるらしいのですが、在来種の保護などの理由で今後もかいぼりが実施される可能性はあるそうで、冬の井の頭池といえば枯れ果てた姿、というイメージが一般に定着してしまわないことを望みます。
まあ、スワンボート達は井の頭公園駅付近に陸揚げされているだけですけれどもね。
梅階段、梅の見頃の始まりです
桜の時期に池が正常化していれば良い、ということは、それよりも前に咲く梅などの花は眼中に無いのか。全くけしからんと腹を立てる人もあるかもしれません。が、井の頭公園の梅といえば池から離れた梅階段の所にあるものが有名で、桜の樹がそうであるようにその美しさを最大限愉しむのに水の存在を必要としないのです。
加えて言うならば、梅の花の素晴らしさはその半分くらいが立ちこめるにおいによるもの。池の水が無い事よりも、花粉が飛び交って嗅覚が正常に機能していない事に腹を立てるべきかもしれませんね。
西園は桜開花前夜を彩る花の宝庫である
例年ならばこれで井の頭公園の梅レポート終わり、とするところですが、今年は西園の方もチェックしたい。南に向けて歩き始めます。
昨年の桜開花レポで誉め称えていたような気がする、公園の端っこにある集合住宅前の桜。勿論まだ咲いてはいません。
西園に着くと、そこには咲き誇る桜開花前の主役達の姿がありました。河津桜や寒緋桜。西園はソメイヨシノの暴力のような井の頭池周辺と異なり、多様性を見せる空間となっています。
今年は桜の開花レポートも、西園を含めて行いたいものです。さて楽しみ。
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