西荻窪BREWBOOKS 酒+読書のカルチャーがシステムになった書店

BREWBOOKS 外観 善福寺公園エリア
BREWBOOKS 外観

酒を飲んだ頭で読書なんて、どう考えても成立し得ないでしょう。馬鹿げている。そんな突っ込みを心の中で入れながら、足は自然とそうした体験を求めて西荻窪に向かうのです。

BREWBOOKS

西荻窪で見かけることの多い、酒+読書

個性的な個人経営の店が多い西荻窪ですが、街のユーザもまた個性的であり、双方が相補う関係にあります。前知識なしに西荻窪で飲食店を開いた方は、料理が出てくるまでの間に文庫本を拡げ本の世界に没入してしまう客が少なからずいるということに驚きを感じるかもしれません。確かに街の中には古本屋も多く、そしてどのお店も個性的、魅力的ですので、西荻窪には愛書家が少なからず住み着いています。そこで飲食店の側としても、読書する習慣を持つ彼らを追い出すわけでなく、固定客となってくれるよう様々な工夫をしだしたりして、その結果他の街にはなかなかない個人経営飲食店+読書のカルチャーが体験出来る街としてやはり愛書家の関心を集めるようになりました。
とまあ、ここまでは常識的なコラボレーションの範疇なのですが、西荻窪にはお酒を提供する店も多く、飲み歩きのカルチャーもあるのです。
本を読むことと、お酒を飲むことが化学反応を起こした結果、アルコールを摂取しながらむつかしい本を読みふける、という訳の分からないことが体験出来る街になりました。

書店とクラフトビールのマリアージュ BREWBOOKS

さて、そのような西荻窪に昨年10月末オープンした書店がBREWBOOKS。BREW(醸造)+BOOKS(本)という名称やロゴマークに描かれたホップなど、ビールが好きな人のアンテナにチクチクと小魚の骨のように刺さります。

BREWBOOKS 外観

BREWBOOKS 外観

店舗の場所は西荻東銀座をずうっと先に進み、西荻南児童館と西荻南児童公園に挟まれた道に少し足を踏み入れるとあります。煉瓦壁の建物はオシャレな雑貨屋の印象を与え、特徴的な青色の窓枠や扉は、”BREW”と”BLUE”を掛けた洒落のようにも思えます。
2階建てのこの建物は1階が新書中心の書店となっており、階段を上がった2階は”書斎”という名前の滞在スペースとなっています。店主は1階のカウンターに座っており、ここで本の会計やボトルビールの購入、書斎利用の手続き、世間話などを行います(笑)。意外と世間話ユーザーも多いのが西荻窪らしいかもしれません。
クラフトビールは現在のところボトルビールのみで、店舗名にもよく似たBrewDogのボトルが置いてあることが多いように思えます。ワンドリンク&書斎利用1時間の料金が1000円。書斎利用のみであれば1時間600円で、延長料金は20分ごとに200円となっています(料金体系は変更されることもあるので、詳しくは公式HPを参照)。そして書斎の雰囲気はこのような感じです。

BREWBOOKSの書斎

BREWBOOKSの書斎

窓の外に見える児童館から時間帯によっては元気な掛け声も聞こえてくるのですが、基本的には静かで落ち着いた時間を過ごすことのできるスペースです。

BREWBOOKSで飲むBrewDog

BREWBOOKSで飲むBrewDog

酒+読書のシステム化にこれから期待できそう

店主の方の前職がSEとのこと、そして西荻窪に長く住まれていたことがこの場所に出店された理由とのことで、街のユーザとして体験することも多かったであろう酒+読書のカルチャーをうまくシステムに落とし込もうとされているのかな、と推測でき、同じくユーザとして試みを応援したくなります。
若干気になったのは、1階の書店部分と2階の滞在スペース部分が完全に分かれてしまっていて、集中して本を読みたい利用者としてはありがたいのですが、2階部分が適切に利用されているかとか目の入るタイミングがないのではないかなと(カフェのような配膳タイミングがありませんですし)。また、現状のシステムですと書斎退出時に利用開始時間を確認し超過があれば延長料金を支払うのですが、時間管理が客任せであるため、超過しないよう気にかけていると読書に没入しにくい、さりとてアラームをセットすると他の利用者の迷惑になってしまうのではないかと気が引ける、といったところでしょうか。この辺りはネットカフェのような合理的システムではなく、本読みにふさわしいアナログ的な解決があるとありがたいですね。
とはいえ、こういう独特なシステムをたたき台として提供していただけると、今度はユーザ側でその使い方を考えて工夫するのが楽しくなってきそうです。仕事帰りの利用を想定されているということで、営業時間が11:00〜22:00と若干遅めまで営業しているのもありがたいところですね。飲み歩きの何軒目利用までだったら活字の同じ行を何度も追わずに読書出来るか、個人的実験もたいへん捗る予感がします。

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