コピス吉祥寺内カフェ&ビール UNISON TAILOR

レコードが聴ける席 グルメ
レコードが聴ける席

住みたい街の首位から陥落したり、ふたたび浮上したりとメディアによる扱いの上げ下げも忙しい印象がある街、吉祥寺。個人的に感じるのは、吉祥寺の場合首位を陥落して、衰退してといった負のスパイラルが起こるというよりは、首位を陥落したら良い感じに脱力して、別の意外な方面から街の面白さの二の矢、三の矢が飛んでくるといったイメージがあります。つまりは、メディアによって喧伝される吉祥寺つまんなくなった論、これに都度都度真剣に向き合う必要は今の所無さそうだということですね。

“GREENING”を合言葉に新装オープンしたコピス吉祥寺

さて、今年前半期の吉祥寺の話題と言えば、5月1日に井の頭公園が開園100周年を迎えるということと、コピス吉祥寺の新装オープン(全館オープンは3月30日より)であったのではないでしょうか(ココマルシアターは、話題に入るとしても今年後半期以降に安定した営業にこぎつけた場合でしょうか…)。コピス吉祥寺は2010年にそれまで伊勢丹百貨店があったビルにオープンして、ダイヤ街チェリーナードの一本奥の道という印象であった元町通りをコピス前というホットなスポットに変えました。その印象が特に強かったので、開店7年目にして新装リニューアルと聞いたときには、何をまたテコ入れの必要があるだろうと感じたものです。
7年目のリニューアルの合言葉は”GREENING”。A館3F屋上にある”吉祥空園 sora”に代表される自然との共生のイメージをより強く押し出した感じです。新テナントとして、レコードディスクをリアルタイム体験していない世代にブームの兆しがあるというレコードの専門店、HMV record shopが入っているあたり、今回のリニューアルはオープン当時のターゲット層である20代後半から30代前半の若者というのを7年分若返らせて、再定義した感がありますかね。

UNISON TAILOR スペシャルティコーヒーとクラフトビール

そのHMV record shopの隣に、バーカウンターのような外見で唐突に登場するのが今回紹介するUNISON TAILORです。

UNISON TAILOR カウンター

UNISON TAILOR カウンター

コピス吉祥寺は、多少スペースの間延び感はあるものの、基本的には前身の伊勢丹百貨店を引き継いだ百貨店のフロアイメージです。そうした中にアルコールを提供するバーカウンターが存在しているというのが、背徳感というか羞恥感というか呼び起こされる感じで、なかなか不思議な感覚です。そう、このUNISON TAILORというお店では流行とともに吉祥寺に増えてきた感もあるスペシャルティコーヒーと、クラフトビールという2種類のニッチな嗜好品を一度に楽しめる仕様になっているのです。
また、隣にあるHMV record shopとのコラボレーションもあり、レコードプレーヤーが設置された席が4席。そこでは席にあらかじめ飾られているレコードないし隣のHMVで購入したレコードを聴きながら飲み物を楽しめるようになっているのです。こうしたニッチ盛り盛りのテナントが百貨店の2Fエスカレーター横にあるというのがとても素敵です(笑)。

レコードが聴ける席

レコードが聴ける席

ドリンクの目玉は、まずスペシャルティコーヒーの監修が専門メディアのGood Coffeeによるもので、国内外の有名ロースターの豆が取り寄せられています。注文すると若いスタッフさんが丁寧にハンドドリップで淹れてくれます。一杯一杯に時間を要しますので、こういった商業施設のドリンクスタンドとしては多すぎるくらいスタッフがぎっしりとカウンター内に詰まっていることもあります(笑)。
クラフトビール部分は、スコットランドのBrew Dogというビールメーカーのもの。ボトルのビールと、生ビールは2種類が繋がっているようです。人気ブルワーなので、吉祥寺でのBrew Dog専属のクラフトビールスタンドとしても充分需要がありそうなものです。
そして、スペシャルティコーヒー&クラフトビール的なコラボレーションになっているのも、このBrew Dogだからというべきなのかもしれません。Brew Dogと神保町のGLITCH COFFEE & ROASTERSがコラボしたNITRO Cold Brewというコーヒーは、窒素ガスを入れてビールサーバーからサーブするアイスコーヒー。コーヒーなのにその泡立ちがまさに生ビールです。NITRO Cold Brewは先日スターバックスでも日本初上陸として宣伝を行っていましたが、おそらく今夏辺りから日本でもメディアに特集されるなどして、知名度を上げていくのではないですかね。

軽食やスイーツのメニューも。至れり尽くせり

軽食やスイーツのメニューも。至れり尽くせり

淹れてもらったコーヒーを持って、レコード席の裏側に座るとフードメニューが置いてありました。スイーツがあって、ビールのおつまみがあって、軽食的なプレートがあってとボリュームたっぷりでした。あまりに自由度が高過ぎてどう利用するのが一番良いのか迷ってしまう所ですが、とりあえずコーヒーを片手に街を散歩するのならば、スタバ等よりもこちらのお店のコーヒーを確保して行こうかな、と思える香り高くて鮮烈な印象のコーヒーでした。

(2017.5追記)
コメントでご指摘をいただいたのですが、現在NITRO Cold Brewの提供はやめてしまっているようです。メニューには窒素ガスでなく炭酸ガスを使ったスパークリングアイスコーヒーが載っています。

(2019.7追記)
商業施設の中に突如として現れるスペシャルティコーヒー&クラフトビールスタンドという面白いコンセプトのお店でしたが、2019年6月をもって閉店してしまいました。結構長い間営業されていたのですが、コーヒーに多少興味のある知人に聞いても、「そのお店知らないよ?」と返されることが多く、やはり意外性のある場所でやっていた結果露出を増やすことができなかったのかしら、と思います。

コメント

  1. 無題 より:

    ニトロコールドブリューの提供やめたらしいよ

    • いのぜん より:

      情報提供ありがとうございます。
      確かにメニューを見ると、ニトロコールドブリューだった部分がスパークリングのアイスコーヒーに変わっています。
      こちらのUNISON TAILOR、4月20日に急遽人形町店をオープンしていたりもするので、もしかしたら設備等をそちらに回してしまったのですかね。
      クラフトビールとスペシャルティコーヒーが一店舗で提供されることの分かり易い象徴だったりしたので、復活に期待したいところですね。

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