西荻窪パパパパパイン 2月末で結局閉店

グルメの街西荻窪には、その話題性により地域外からも人を呼べるような店が、各ジャンルにつき大体2、3店程存在しているのが常であるように思います。カツ丼の坂本屋を評した料理評論家の山本益博氏風に言うならば、わがまち西荻窪の○○、ではなく日本一の○○でしょうか。
ただ、西荻窪という街自体のパイの小ささがネックとなって、ジャンルの話題店3店目、4店目になってくると途端に存在が確認できなくなります。そのため、”グルメの街西荻窪”の様相はいつでも特定ジャンルの深みが無い、ニッチ向けジャンルが割拠する多国籍軍のようになっています。

パイナップルラーメンのパパパパパイン

西荻窪のラーメン屋で、都内ラーメン店特集などの候補にまず挙がり、地域外から人を呼ぶことのできていたのがパパパパパインでした。勿論タンメンのはつねも行列が出来る程の有名店ですが、多少わがまち〜カテゴリに籍を置いている感も強い店です。一方パパパパパインは、ラーメンスープの素材がどうであるとか、店主がどこの店の出身であるとかとにかくスペックからラーメン屋の品定めをする層へのアピールが強く、西荻窪駅にまるで降り立ったことの無い人々がムックを片手に噂のパイナップルラーメンを食べに来る、といったことも珍しくなかったようです。

パパパパパインのコンパクトな店舗

パパパパパインのコンパクトな店舗

パパパパパインの店舗は西荻窪駅から徒歩1分で、席はカウンターの数席のみです。狭い店内にはたびたび電車の音が響き渡るほどの駅チカでありながら、南口からやきとり戎のテリトリーを突っ切る、ないし、地元感溢れる西友の中を抜けていかないとたどり着けない、少々孤立した場所にありました。

パパパパパイン

カウンター席のみの店内は店主との距離がひじょうに近く、店にはちょっとコアな雰囲気がありました。ラーメンムックから入った一見客にとっては、まず常連ひしめくカウンターに割り入って定着するのが第一ハードルとなっている感もありました。加えてヘビーユーザーとなる可能性のある地元住民にとっても、たまにメディアで特集されると席数の少なさゆえに行列ができる店なので、ふとラーメンが食べたくなった時の選択肢として行列があるかもしれないパパパパパインの店舗をチェックしに向かうというのが億劫にならざるを得なかったところがありましょう。

4月末日に閉店宣言。その理由は?

そして今年の年明けすぐのパパパパパインのTwitter。4月末に閉店を予定しているという内容がつぶやかれました。最初のツイートでは、閉店理由に付いて店主が高齢のためと説明されていましたが、現在32歳という店主のご年齢を考えても、まあ本当の閉店理由ではないだろうと思います。その後のツイートでは、現店舗の修繕費が…等、リアルな理由も見え隠れしていたり。これは本当に憶測なのですが、雑誌やネット上でのパイナップルラーメンの絶賛具合に対して、実際の売上や利益が追従しておらず、あれだけ絶賛を受けたラーメンを6年間提供し続けても左うちわ状態になっていないということに対して、西荻窪の狭い店舗でやっていることも含め思い直したいところがあったのではと。

実は件のツイートよりずっと前、昨年前半頃には既に常連トークで閉店の話が出ていました。店主のざっくばらんなトークの一環かと真面目に捉えてはいませんでしたが、積もりに積もった心情ゆえの判断なのかもしれません。

パイナップルラーメン、食べられるうちに

ともあれあと3ヶ月は、西荻窪でパイナップルラーメンが食べられます。パイナップルラーメンも相当イロモノに聞こえるメニューですが、実際食べてみるとその印象はきっと変わる筈。

パパパパパイン

パパパパパイン

パイナップルを使ったラーメンということで、その中に(酢豚の中のアイツみたいな)パイン特有の酸味やエグみを探そうとするのですが、驚く程これがなく、その探そうとする気持ちを逆手に取られてスープを完飲してしまいます。総合的には塩スープと引き立て役の麺がやさしいラーメンといった感じで、パインの存在感は、チャーシューや味付け卵等によりしっかり感じられますし、決してイロモノで終わらない新発想のラーメンです。

おそらくどこかもっとアピール力のある立地で再出発されるのではないかと思いますが、パイナップルラーメンは引き続き常設メニューとして提供して欲しいですね。西荻窪の小さなパイを”卒業”した事を土産話に。西荻窪話題のラーメン店は、麺尊RAGEあたりに引き継いで頑張ってもらいましょう。

(2017.3追記)
2月末付けで急に閉店してしまいましたね。パパパパパインを惜しむ声が大きかったので、看板そのままに移転することを検討されているようです。
それまでは、町田にある姉妹店の「81番」で、週1くらいでパイナップルラーメンの提供をすることを考えられているようですよ。

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