石神井氷川神社で行われる「井のいち」

武蔵野の地図上で井の付く地名は、ほとんど地図記号のようなはたらきをしているかもしれません。

石神井氷川神社

氷川神社というのは、スサノオを祀った、本来は荒川沿いに多く見られる神社です。総本社は埼玉県大宮市にあるのですが、豊嶋氏が石神井城を築城した折、鎮守として城内に分霊をいただき祀ったというのが、石神井氷川神社の由緒です。その後氷川神社は豊嶋氏の没落とともに現在地に移され、近隣の村の鎮守として第二の生をむかえます。爾来、今日まで村人に篤く崇拝されてきました。

石神井氷川神社

石神井氷川神社

イベント会場としての石神井氷川神社

そんな氷川神社ですが、境内のスペースをフル活用して、様々なイベントが行われています。たとえば毎月第四日曜日には、骨董市が開かれています。また、毎年8月には練馬の伝統的な七夕行事の名前を冠した、「ちゃが馬七夕」というイベントも開かれます。いずれのイベントも、石神井公園のイベントスペースのような開放的な場所ではなく、神社の境内という狭い場所を好んで行われるイベントですから、村の鎮守のお祭りの延長とも言うべきもの。メディアに取り上げられて域外者をたくさん呼びたいというよりは、口コミなどを通じて裾野を広げていきたいタイプのイベントであるかもしれません。

「井のいち」プレイベント開催

さて、石神井氷川神社の境内を使ったイベントとして、毎年5月中旬頃に行われるのが「井のいち」です。イベント内容としては、クラフト・ワークショップ・食の市など。一部はオーガナイザーを同じくする「ちゃが馬七夕」と共通している部分もありますが、加えて「井のいち文庫」という試みを目玉に据えて行っています。
「井のいち文庫」の仕組みは、誰かにあげたい本をそこに置いていき、やって来た人がそれをその場で読むのも持ち帰るのも自由というもの。イベントの終了後本を返却したい場合には、協力店舗の本棚に返すことで、また文庫に戻るという仕組みも用意されています。

「井のいち」のポスター

「井のいち」のポスター

「井のいち」自体は今年の5月18日(日)に開催される予定ですが、「井のいち文庫」の蔵書を募集する意味もあり、今週末の4月20日(日)の11:00〜15:00にプレイベントが行われるようです。こちらのプレイベントでも多少の出店があるようなので、石神井氷川神社境内で行われるイベントがどういう雰囲気なのか、下見をするのにはうってつけでしょう。

「井」のつく地名この指とまれ的なフリーペーパー

「井のいち」や「ちゃが馬七夕」は、2009年に始まった地元発のフリーペーパー「井」を中心として企画・広報が為されたプロジェクトのようです。「井」と言う名前は「石神井」の「井」だけではなく、「井草」や「井荻」など周辺に点在する「井」のつく地名の地域を巻き込みたいという意味合いだそうです。確かに、武蔵野台地では「井」のあるところを中心として開拓が行われ、それが地名にも残っているわけですから、感染力の高いコンセプトだと思います(笑)。

フリーペーパー発の街を盛り上げるイベントという例は、西荻窪でも見られました。そういったイベントの開催が全国的な傾向であるのか、はたまた西荻窪や石神井といった行政主導のサービスが届きにくい場所に特徴的なものなのか。興味が尽きないところではあります。

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