西武池袋線の石神井公園駅と言えば、駅周辺の再開発にも一段落がつき、にわかに世間の注目度も上昇中の駅です。メディア等でも、新しくオープンした駅前商業施設「Emio」を中心としたエリアの紹介が、今後増えるであろうことが期待されます。
さて、今回紹介するのはその「Emio」ではなく、旧来の人情味溢れる駅前商店街中にひっそりとたたずむ神社です。どれほどひっそりとした神社かと言いますと、周囲の駐車場によってまるで存在を隠蔽されているかのような扱い。石塀に囲まれ鎮守の森もないので、鳥居のある入り口以外からは、そこに神社があることを視認できません。
入り口はまなマート石神井駅前店の正面にあります。参道の脇には駐車場があり、神社の建物の後景には高層マンションが立ち並びます。参道も鳥居もコンクリート製のようで、神社の情緒が感じられるのは、建物、石製の社標、手水鉢といったわずかな構成要素のみ、といったところです。
場所柄、周辺のマンションには敷地が丸々見下ろされる形になります。丑の刻参りには不便であると言えるかもしれません。
さて、普段はこのように埋没した雰囲気を漂わせている大鷲神社ですが、大鷲神社ということで、毎年の酉の市には屋台が並び、普段の寂しさが嘘のように人出で賑わいます。店に熊手が並ぶのは勿論、舞台ではお囃子が演奏され、商店街で買い物をしているとどこからか聞こえてくるお囃子をたどって、ちょっとした探検気分を味わえるかもしれません。
そんななんちゃってアジールの大鷲神社ですが、付近の駐車場にこのような貼り紙を見つけました。
地域の野良猫を飼い主希望者と引き合わせるカフェの、協力者を募集しているようです。こうした広告の場所に使われるのは、なかなか神社の役割を全うしているな、と独り納得したものでした。ご興味の方、現実的な協力ができそうな方など、具体的な内容は貼り紙を確認しに行ってみて下さい。
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