武蔵野三大湧水池巡りをする際には、東京都内の交通網で強調されている東西方向の交通の流れでなく、南北方向の繋がりにも目を向けることになります。そうすると一見意外な事実が浮き上がってくるもので、石神井公園の真ん中を突っ切っている都道444号線を道なりにずっと南下していくと、途中で道の名前は何度か変わりつつも西荻窪駅に直結してしまう。逆側から眺めるならば、西荻北銀座をずっとずっと真北に歩いていくと、石神井公園に繋がっているのです。石神井公園の門前駅は西武池袋線の石神井公園駅であると多くの人が認識しているでしょうが、駅から公園内に直通する道も無く少し東側にずれてしまっている石神井公園駅、そして上井草駅と違い、西荻窪駅からの道はまさしく門前駅の風格をもって公園を縦断しているのです。
新築一戸建て風外観のカフェ&ゲームバー?
ということで、石神井公園への参道は西荻北銀座から始まることに、今決まりました。そんな石神井公園参道を西荻からずっと北上して歩いていくと、青梅街道を越えて早稲田通りにたどり着く手前あたりの住宅街で、いかにも新築一戸建て住宅といった建物に何故かナポリタンの幟がはためいている光景に出会います。
鉄道駅から近くない場所で営業する喫茶店は、知る人ぞ知るというように固定客がついてくれればやっていけるものなのでしょうか、一見して喫茶店とは判別できないお店もよくありますね。
なんだか結婚したてで新居を購入した同僚の家にお呼ばれして行くような感覚を思い出しますが、一応、涼しさとWiFiを求めての難民的入店です。
遊べる卓上ゲームが沢山
この新築一戸建て住宅のような喫茶店は、カフェ&ゲームバーことぶきという名称で、2013年からこの場所で営業をしているようです。名前の如くのゲームバーなのですが、遊べるゲームはビデオゲームではなく主に卓上ゲーム。人生ゲームとかモノポリーとかああいったものの海外版が主でしょうか。見たこともないルールのゲームを無料で遊ばせてもらえるようです。
卓上ゲームを机の上に展開する必要があるので、テーブルはファミリーレストランのように広めのものがあります。客層を見てみると、いかにも卓上ゲーム愛好会メンバーといった年齢層・性別の集団(若年層男子ですかね)の他に、小学生くらいの子供を連れたママさん集団の姿なども見受けられました。子供を遊ばせるという名目で、ママさん方も童心に返って面白いゲームで遊びたいのではないでしょうか。
試しに頼んでみたい料理・ドリンクメニューが沢山
そんな楽しそうな卓上ゲーム会を横目に、WiFi利用で情報集めをしているとささやかな敗北感が漂い始めます。それでも卓上ゲーム以外の目的で利用する客も楽しめるであろう、フードやドリンクの多彩なメニューがあり。幟でプッシュされていたナポリタン(月見ナポリタンにもできます)を始め、アフォガードとかデザートピザフリッタとか、カクテル、はては焼酎まで取り揃えています。カフェ&ゲームバーの、バーの部分でも充実しているわけですね。
卓上ゲームは一旦ゲームが始まってしまうと、熱中してついつい帰宅時刻が延び延びになってしまう魔性の玩具ですが、そこでメニューに試しに頼んでみたいものが載っていると、どうせなら話のタネに…とどんどん追加で頼んでしまうでしょう。というわけで、客の滞在時間も長く客単価も高くという戦略でやっているのかもしれません。
卓上ゲームと喫茶店の意外な親和性?
このカフェ&ゲームバーことぶき、ゲームの場を提供するだけでなく自作もされているようです。趣味が高じて店になったという感が、ゲームについてそしてカフェ部分についても大いに感じられますが、このお店のスタッフの方にとって飲食メニューを充実させることは、きっと自作カードゲームで使用する札を考える感覚にも似て楽しいのではないだろうかと、勝手な想像をしてしまいます。
考えてみれば、西荻窪駅からのびる石神井公園参道にはかつて店頭の地べたでカードゲーム大会を行って子供達を集めていたえびすやがありましたね。武蔵野三大湧水池エリアから未来のゲーム作家が生まれるのか、はたまた藤井四段のような将来有望なゲームプレイヤーが生まれるのか、この先ちょっと期待しておきましょう。
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