このサイトで扱うテーマ、武蔵野三大湧水池とは何かについて説明します。
武蔵野三大湧水池。言葉の意味から本質を探るのならば、武蔵野にある特筆すべき3つの湧き水の池、ということになります。三大の意味をそのまま規模の大きさととらなかったのは、この文章を書いているときにふと三大テノールのビジュアルが浮かんだからですが(笑)それ以外にも、広義の武蔵野を見てみれば規模的にこの3つの池に勝る池もあるのではないかと思ったからです。
では次にその武蔵野について。wikipediaの記述によれば、東京の西部と埼玉南部にまたがる武蔵野台地の略称であるとのこと。またこの武蔵野台地にも定義があって、荒川と多摩川に挟まれた地域にできた、多摩川の扇状地だとのこと。つまり武蔵野というのは東京都や神奈川県といった行政上の区分ではなく、どちらかというと地質学的な類似性でまとめられる地域のことを指しているわけですね。
地質学的な類似性を土台にして、その上には植生学的な類似が対応して現れます。そしてそれが地域の景観に統一感を与えます。おそらく扇状地とは何かこれっぽっちも知らない大昔の人でさえも、この地域を何か大きな括りで捉えられるということには賛同できたのではないかと想像します。
そうした似たような風景が広がる中、まれに存在する風景については、人々はその場所を記憶にとどめさらには伝え広めたいと思うかもしれません。武蔵野台地の場合それは湧き水であり、さらにその大規模なものとしての湧水池です。三大湧水池と呼ばれる井の頭公園の井の頭池、善福寺公園の善福寺池、石神井公園の三宝寺池はどれも地勢的要件が揃って古くからそこに存在していました。近くに縄文遺跡が存在するのも、そのまれな風景の価値を縄文時代から人が認識していたということを示しています。
現代ではどうでしょうか。これら3つのまれな風景は、周囲が宅地造成される中、かつて武蔵野に広がっていた風景の記録としてそのまま残され、公園として整備されています。まれな風景としての特性は残しながらも、その意味合いは昔とは様変わりしていると言えるでしょう。
当サイトでは、この時代を超えて変化しながら受け継がれているまれな物への驚きこそが、三大湧水池の”大”たる所以ではないかと考えます。つまり、武蔵野三大湧水池は、武蔵野三大ビックリ湧水池であると提言させていただきたいのです。そうした前提に立って眺めてみると、この3つの湧水池の位置、歴史、かたち、あらゆるものが雄弁に何かを語りかけているような気持ちになります。そこで三大ビックリ湧水池の魅力を見つけて報告することをこのサイトの裏テーマに設定して、まれな物への驚きを皆様に伝えていければと思っています。どうぞ、おつきあいくださいませ。
コメント
[…] 井の頭公園の井の頭池と言えば、このサイトの主テーマである武蔵野三大湧水池の一つ、つまり古代から武蔵野に存在した湧水池です。 とは言え、古代から現代までその自然の姿を保って存在できているのかというと、そうではありません。かつては湧水が7カ所から溢れ出る様を、「七井の池」と称された井の頭池でしたが、それを可能たらしめていた雨水の浸透し易い関東ローム層からの浸水が、経済成長に伴う地表のコンクリート化などで大幅に減少。また、水源利用による地下水位の低下などもあって、七井からの湧出が見込めず、やがて枯渇の危機に瀕しました。 そこで、1963年から現在に至るまでは、井の頭池の水はポンプを用いてくみ上げ、その水位を維持しています。 […]
[…] 井の頭恩賜公園は、東京都武蔵野市と三鷹市にまたがる都立公園です。 武蔵野三大湧水池として知られています。 日本さくら名所100選に選定されています。神田川の水源地です。 […]
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